初期アストゥーリアス 再発によせて ~その2~

この度キングレコードの「NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTION」で アストゥーリアスの初期三部作が再発となりました。 奇しくも今年は1st「サークル・イン・ザ・フォレスト」から30年の節目の年。 改めて、この3作について振り返ってみたいと思います。 


 ブリリアント・ストリームス Brilliant Streams 1990

1. ハイランド Highland 

2. ノスタルジア Nostalgia 

3. ローガス Rogus 

4. ブリリアント・ストリームス Brilliant Streams


マルチ・プレーヤーでコンピューター・プログラミングにも精通する大山曜のプロジェクトユニットのセカンド。洗練とコダワリが共存する優美なニューエイジ路線は前作から変わらず、アルバム後半に20分超の大作曲を収める構成も、前作を踏襲している。津田治彦と花本彰の新月組、AFFLATUSの桜井和美、ZABADAKの上野洋子が引き続き参加する一方、ピアニスト2名やファゴット奏者をゲスト起用。元々ゲーム・ミュージックとして書いた曲をリアレンジするなど、自由な発想がさらに発揮されている。ちなみに、ASTURIAS作品のジャケットは、全て画家である大山の父親の作品で、本作は川の流れをテーマに選んだとのこと。 (奥村裕司氏による作品解説 NEXUSカタログより)

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前作と今作の間に、エグベルト・ジスモンチの音楽(特にブラジル盤のシンセ多重もの)に出会えたことは自分にとって大きな転機となりました。特に和声・音階面で「こんなアプローチをしてもいいんだ」という衝撃を受け、当時かなりはまっていました。まだ影響を昇華出来るところまでは至っていませんが、「ノスタルジア」はクラシカルな哀愁作品として影響が顕著で、”聴き手を自分の音楽世界に引き込む””世界観を提示する重要性”といったものを意識して作り始めたのが、この頃だったと思います。 


またこの作品では、”使う音色を選ぶ”ということに注意した面があります。マニピュレーターという職業柄、色々なシンセの音を使いたくなる訳ですが、"プログレにマッチした音だけを使う"ということを自分に戒めて臨んだものになっています。(タイトル曲は打ち込みも結構使っていますが...)

生楽器類をいかに効果的に配置するか、ということも重視し始めています。アコースティック路線の「ノスタルジア」、バンド編成の「ハイランド」「ローガス」は楽器編成的にアコアス・エレアスの布石になった面もあるかと思います。音色面の厳選が結果的に、よりプログレらしさを強めることに繋がったのではと思っています。


 このアルバムで重要なのは、やはり2つのロックバンド編成の曲「ハイランド」と「ローガス」です。ミニマルなピアノのフレーズを軸に、変拍子のビート、クールな雰囲気でアストゥーリアスならではのプログレッシブ”ロック”が確立された気がします。メロディアスな広がりのある「ハイランド」、元々「獣神ローガス」というゲームのバトル曲であり、スリリングな変拍子展開が特徴の「ローガス」共に今でもお気に入りの曲です。


それと「ブリリアント・ストリームス」の前半(11:33まで)の流れはとてもうまくいったと自負しています。メジャー(長調)の楽曲であるにも関わらず、アストゥーリアスらしさを出せたのは、現在に至る作品の中でも珍しい成功例と言えるかもしれません(「ディスタンス」と並んで)。オールドフィールド的組曲の構成方法としても、前作よりスムーズに構築出来たと満足しています。それに比べると後半の流れは無理矢理な感じがして、今聴くと残念です。パーツごとはいいのでしょうが、まだまだ煮詰めが足りない構成ですね。反省の余地ありです。


今回初めて聴かれる方は、是非「樹霊」「欠落」「極光」の3つの組曲、またエレアス・アコアスの近作を聴いてみて下さい。 今作はそれらに向かう通過点でしかありませんので。

 2018.1.21 大山 曜


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