初期アストゥーリアス 再発によせて ~その1~

 この度キングレコードの「NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTION」で アストゥーリアスの初期三部作が再発となりました。 奇しくも今年は1st「サークル・イン・ザ・フォレスト」から30年の節目の年。 改めて、この3作について振り返ってみたいと思います。


サークル・イン・ザ・フォレスト Circle in the Forest 1988

1. 流氷 Ryu-Hyo 

2. クレアヴォヤンス Clairvoyance 

3. エンジェル・トゥリー Angel Tree 

4. タイトロープ Tightrope 

5. サークル・イン・ザ・フォレスト Circle In The Forest 


10代でマイク・オールドフィールドの「TUBULAR BELLS」(73)にはまったのをきっかけに、プログレッシブ・ロックに傾倒していったという大山曜のプロジェクトユニットの第1弾。大山はギターやベース、各種キーボード、コンピューター・プログラミングをコナすマルチ・プレーヤーで、デビュー前からレコーディング・スタジオで働きながら、ひとり多重録音の実験を続けていたという。ニュー・エイジ系プログレとも言うべき優美なサウンドが詰め込まれた本作には、そんな彼の情熱がたっぷり込められている。新月の津田治彦(g)と花本彰(key)、AFFLATUSの桜井和美(ds)、ZABADAKの上野洋子(vo)がゲスト参加。 (奥村裕司氏による作品解説 NEXUSカタログより)

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とにかく永年の夢であった、初めてのレコード(Vinyl盤もあった)を出すということで、 尋常でない気合を込めて臨んだのを覚えています。 若さゆえの情熱がプラスに働いた半面、気負いや音楽的未熟さがマイナスに働いているのは否めません。 永いこと「この作品を葬りたい」と明言してまいりました。2014年の"All Time Best ジャパグレ人気投票"で「樹霊」の4位を始めとした、近年の作が上位に食い込み、この1stが下位に沈んだことで、やっと永年の呪縛から解放された気がしました。(1stが代表作と言われることが多く、悔しい思いをしてきました) 


今回改めて作品を聴いて思ったのは、作者本人としては歯がゆい思いをいだく箇所が耳に付くものの 今に至る"アストゥーリアス・サウンド"の基本的な概念は全てここから始まっている、これ無くして今はない、ということを再認識しました。

13歳からプログレを聴き始め、”他にない進歩的な音楽こそがプログレである”という信念の元、”自分だけの音楽(プログレ)”を追及していった課程の全てが この作品に凝縮されているのを感じます。改めてこの作品を世に出せたことに感謝したいと思います。


納得のいかない点としては、①音楽的(楽典的)な未熟さ、作編曲技量の幅の狭さ、②サウンド的な未熟さ(当時の打ち込みサウンドの限界、ミックスダウンにおける80年代志向)

「クレアヴォヤンス」や組曲中盤の展開、「エンジェルトゥリー」のストリングス処理などに顕著です。


 そんな中でも、「流氷」は自分が22歳のときに初めてまともに作ったプログレ作品(?)として記念すべき曲であり、今だにファンの方々にも愛されているという意味で、たしかに代表曲のひとつかと思います。変拍子を使っている訳ではないし、調性・和声が凝っている訳でもないですが、自分なりのプログレ表現のひとつの形です。歴代プログレ名曲の”美しい部分”を抽出し、”ひんやりとした””冷たく澄み切った”質感でまとめ上げたもので、当時流行っていたニューエイジミュージック(ウィンダムヒルとか)のピアノの質感に影響された面もあります。この曲が1曲目ということもあり、アストゥーリアス=ニューエイジ、ロック(プログレ)じゃない というイメージ・弊害が付きまとってしまい、永いことその呪縛に苦しめられることになりました。(それを払拭すべく、ロックのエレアスが産まれたとも言えます)


 他には、エレアスに通じるアストゥーリアス流ロックサウンドのルーツとして「タイトロープ」、現在のマルチアス組曲のクライマックス手法のルーツとして「サークル・イン・ザ・フォレスト」ラストの展開など、今に至る重要な流れを見出すことが出来ます。


30年経ち、現代の耳の肥えたリスナーが、この作品を聴いてどう思うのでしょうか? ゲーム使用のパーツも随所に含まれていて、プログレという意識の無いリスナーでも楽しめる面はあるかもしれません。初めて聴く方達の評価が気になるところです。

 2018.1.21 大山 曜


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